カテゴリ: 債務整理の種類

特定調停

≪≪ 債務整理

一口に債務整理と言っても様々な種類があります。
ここでは債務整理と呼ばれている様々な手法を紹介してゆきたいと思います。

【特定調停】

特定債務者とは、借金を契約通りに支払っていては最低限度の生活にすら事欠くような人や、債務超過に陥る可能性がある法人のことを指します。
その特定債務者が裁判所に願い出て、調停委員を介して債権者との減額交渉をしてもらう手続きのことを特定調停と言います。
現在は、借金問題で申し立てされる調停のほとんどが、この特定調停になっています。

特定調停のメリットとしては次のような項目があげられます。
・費用が格段に安い。(1業者あたり500円程度)
・手続きも比較的に簡単なので、弁護士、司法書士などの専門家に依頼しなくても、自分自身で申し立てがし易い。
・減額和解した内容は、裁判所の判決と同じ効力がある。(そのため、不履行時は速やかに強制執行される可能性もあります。)

デメリットとしては、
・あくまでも調停なので、双方の話し合いで解決がつかねば、調停不成立となる可能性がある。
(債権者も決定に不満であれば異議申し立てができます。)
・過払い返還請求は出来ない。
(特定調停は特定債務の調整を目的としているので、過払いの状態でも、債務が存在しないことを確認するのが限度です。よって、ある業者からの過払いを見込んで、他業者の返済に補填するなどといった和解はできません。)
といったことがあげられます。

業者との和解は、3年以内の分割払いであれば比較的成立し易いと言えます。
また、特定調停は、債務者が自分自身で手続きができる、比較的簡易な債務整理手法として、平成12年の特定調停法施行後急激に増加しましたが、最近では、過払い案件の増加などもあり、申し立て自体が減少傾向にあります。

≪注意事項≫
前述したように、特定調停は、その性質上、過払い返還の内容で和解はできません。このため、過払い案件の和解は「債務不存在」となります。
(特定調停で債務不存在で和解した後も、理論的には過払い返還は可能です。)
また、特定調停での和解書には、「清算条項」と呼ばれる文言が記載されます。清算条項とは、和解内容以外に、お互い一切の請求権を持たないことを確認する文言のことで、通常は「債権債務なし」と記述されます。
しかし、債務不存在で和解した場合の清算条項は、「債務なし」という文言だけにして、後の過払い返還の可能性も持たせている裁判所がほとんどです。
もし、「債権債務なし」という清算条項で和解してしまうと、後に過払い返還を主張するときの大きな足かせになってしまいます。
過払い案件で和解する場合は、清算条項は要チェックです。

 

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